小児のSAS検査について|You-MOST
2020/07/27
問い合わせがあったのでブログにてシェアしたいと思います。
小児の無呼吸についての問い合わせでした。
私は、以前の人工呼吸器を扱っている経験から、新生児用の呼吸器を販売していた経験もあります。
米国Bird社の「V.I.P.Bird」という人工呼吸器で20数年前です。
当時の小児新生児用の呼吸器は「IMVモード」が主流で、子供たちの呼吸管理は気管チューブにカフのないタイプで管理していて、当然のことながら呼吸は小さいし、漏れはあるし、という管理になるため子供の呼吸は無視(自由に)した呼吸管理でした。
しかし、これではなかな落ち着かないし回復しない。
そこで2つの呼吸管理が出現しました。
HFOとPTVという呼吸管理方法です。
HFO:High Frequency Oscillation 高頻度振動換気法
参考…静岡県立こども病院
http://www.shizuoka-pho.jp/kodomo/department/pediatric-surgery/features/hfo/index.html
PTV:Patient Triggered Ventilation 患者の自発呼吸を捉える呼吸療法
参考…京都府立医科大学
http://www.f.kpu-m.ac.jp/k/picu/respiration/res-b-3.html
私は後者のPTVができるようになった人工呼吸器を販売しており、その効果は素晴らしいと感じていました。
今まで「人工呼吸管理」をされる新生児は、自分の呼吸のタイミングには全く関係なく人工呼吸器から圧力がかかり強制的に呼吸させられていました。それによってなのか、肺高血圧症を併発するケースが多かったのですが、PTV管理に変わると自分のタイミングで呼吸ができるため肺高血圧症が出現することを抑えられるんだよという感想を使っていただく先生から聞いていました。
京都府立医大での説明にもあるように「文句を言われない」から血ガスさえ維持できていれば呼吸管理としては ”〇” だったのだろうか?
それからしばらく経った後、子供の無呼吸を防ぐ装置…ということでドーム型の筒上部に胸に張るテープをつけ、テープで筒の外側から陥没させない呼吸をさせる装置を本社に行ったときに見せてもらった記憶があります。
現実的ではなかったのか、それきり目にすることはなかったなぁ。
やはり、小児新生児でも昔から「上気道の閉塞」は課題であったのでしょう。
UPPP(口蓋垂軟口蓋咽頭形成術)は小児領域においては第一選択肢というのは今でも変わっていないようです。
しかし、オペのできない子供たちは気管切開をし、オペができるようになるまで待つこともしばしば見てきました。
気管切開すれば上気道を通らずに呼吸することが可能だからでしょう!
いつどのタイミングでオペをするのかは主治医に相談することが賢明ですね。
睡眠時無呼吸を専門で行っている施設でも小児に対して適切な処置ができるところばかりではないと思います。
新生児の呼吸管理でPTVを勧めていたせいか、未熟児で生まれてきた子供たちに後遺障害を残さないための呼吸管理をもっと普及させてもらいたいと思っています。
もちろん難しいことではあるのでしょうが、後遺症を残してしまうか、残さずに管理できるかは、我々「大人」に知恵があるかないかの差もあるのだろうから...